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ラグビーガールズ番外編その2
『開催国NZが24年ぶりV。
 8年後開催は日本~ラグビーW杯終わる』

4年に1度のラグビーのワールドカップ(W杯)が開催国ニュージーランド(NZ)の優勝で幕を閉じた。熱狂の6週間だった。街はNZの活躍でどこも盛り上がり、入場券収入も目標を達成した。目を閉じれば、「オールブラックス(NZの愛称)!、オールブラックス!」の歓声(かんせい)が聞こえてくる。

オールブラックスは強かった。7試合を戦い、301得点、40トライをマークした。きたえ抜かれた個人技と身体能力を生かして、パスを散らしてつないでいく攻撃的ラグビーを見せた。スピード豊かな展開ラグビーは見ていてオモシロい。ワクワクする。

よくみれば、小さい頃からよほど厳しく教え込まれたのだろう、確かな基本プレーがベースにあった。

パス、ラン、タックル、キック、ダウンボール、サポートプレー…。その基本技があればこそ、CTB・ノヌー、スミスやFB・ダグら魅惑的な選手が並ぶバックス、フランカーのマコウ主将やロックのソーンら勤勉なフォワードがより光り輝いたのだ。

選手層も厚い。大黒柱のSO・カーターらケガ人が相次ぎ、マコウ主将も右足の負傷をおしての奮戦(ふんせん)だった。決勝(10月23日・オークランド)では、22歳の代役SO・クルーデンまでケガで交代することになった。でも国内4番手のドナルドが代わりを無難にこなした。チームの団結は揺るがなかった。

決勝は白熱した戦いだった。相手はフランス。1次リーグの対戦ではNZが37-17で圧勝した。でもファイナルではフランスが意地を見せた。1次リーグのときとはまったく違ったのだ。自陣でもほとんどキックを蹴(け)らず、パスで大胆につないできた。

後半序盤に1点差に詰め寄られると、NZは残る30分余、防戦一方となった。でも守り切った。ディフェンス網が乱れても、個人のタックルの激しさと精度は変わらなかった。粘って、耐えて、8-7で逃げ切った。430万国民の夢を背負った、“傷だらけ”のオールブラックスが頂点に立ったのだ。

1987年の第1回大会以来、じつに24年ぶりの優勝である。もうケガでボロボロのマコウ主将は言った。

「疲れ果てて言葉もない。持てる力の全てを出しきったことを誇りに思う。これもNZの人々のサポートのおかげだ」

確かにNZ人の後押しは大きかった。ラグビーを宗教みたいに信仰(しんこう)する。ときには選手への重圧となろうが、やはり土壇場(どたんば)では「力」となる。そのNZ人の「熱」を肌で感じていただけに、勝ってよかった、とつくづく思う。

決勝戦のあと、市街地は夜明けまでお祭り騒ぎとなった。車のクラクションが鳴り続け、酔っ払いの大声が飛び交った。「オールブラックス! オールブラックス!」と。

会場はどこもほぼ満杯で、90%のチケットが売れた。入場券の販売額は目標の2億6850万NZドル(約160億円)を突破した。W杯中、『リアル・NZ・フェスティバル』と銘(めい)打たれたイベントが各地で開催された。食べ物、観光、特産品と各都市の魅力満載の催しで、どこも人、人、人だった。

6週間、NZ国内をひとりで旅してまわった。大会収支はともかく、盛り上がりという観点でみれば、ラグビー母国のW杯は大成功だったと思う。正直、これで日本代表(3敗1分けで1次リーグ敗退)がひとつでも勝っていれば、もっとよかったのだけれど。


この夢舞台が8年後、日本にやってくる。ラグビー伝統国以外では初めての開催となる。一番は日本代表の強化である。さらにはラグビーという競技の普及、スポンサーなどのビジネス面、スタジアムなどの環境整備が課題となる。


繰り返す。8年後の2019年には日本で夢のW杯が開催されるのだ。いま、小学生の若手ラガーよ、日本代表をめざそう。ラグビーをしていない人たちはボランティアでもいいから、「祭り」に参加しよう。みんなでラグビーの根っこの部分の盛り上げを図っていこう。

だって。

W杯には夢がある。

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▲オールブラックスの選手は、試合前に「ハカ」「ウォークライ」と呼ばれる「戦いの舞」で相手を威嚇(いかく)する。日本でもおなじみの試合前のセレモニー。【ラグビーガールズ 鈴木彩香】
▲オールブラックスの選手は、試合前に「ハカ」「ウォークライ」と呼ばれる「戦いの舞」で相手を威嚇(いかく)する。日本でもおなじみの試合前のセレモニー。

▲地元でのワールドカップ開催のため、街中、黒一色で、まさに「オールブラックス」。ヒツジの国だけに、このような仮装をしたファンも。【ラグビーガールズ 鈴木彩香】
▲地元でのワールドカップ開催のため、街中、黒一色で、まさに「オールブラックス」。ヒツジの国だけに、このような仮装をしたファンも。
※画像をクリックすると拡大します。

▲日本と同じ組で予選を勝ち進んだニュージーランド(オールブラックス)の決勝戦の相手は、やはり同じ組で闘ったフランス。写真はフランスチームの応援団。【ラグビーガールズ 鈴木彩香】
▲日本と同じ組で予選を勝ち進んだニュージーランド(オールブラックス)の決勝戦の相手は、やはり同じ組で闘ったフランス。写真はフランスチームの応援団。
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