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宮井紅於さん特設ページ 12歳の文学賞 メールマガジン







樋口裕一先生×三船くん

三船くんの作品作りは…?

あさの 『ヘチマと僕と、そしてハヤ』の登場人物には、モデルはいるの?
三船 モデルはいたのはいたんですが、あくまでも「こんな感じ」という程度で、あとは想像してキャラを組み立てました。
西原 脳内は妄想の泉? 自分の背中のチャックをシャッーと開けると、中は妄想だらけとか(笑い)。
三船 単行本に入る2、3作目はモデルとは完全に離れていて、頭の中で勝手に登場人物たちが話をしているので、「今書くから待ってろ」状態でした。
西原 その登場人物たちが自分のことを飲み込んだりはしない?
三船 女の子の登場人物の会話を書いていてハマり過ぎると、自分も口調がつい女の子っぽくなってしまうことはあります(笑い)。
樋口 同級生の設定はわかるんだけど、新作の伯母さんの同窓会の話、あれは一体どうやって書いたんだい? 取材したの?
三船 書くために、というわけではありませんが、父と母の同窓会の話を聞いたりして…。
あさの ああ、お母さんの同窓会話とかちゃんと聞いて、参考にしたのね。
三船 それとその同窓会のビデオも見たので。あとは地元の岩手日報に、月に一回くらい同窓会に関する投稿が載っていて、そういうのも参考にしました。
西原 新聞、毎日読んでるんだ! 新聞のどういうとこ見るの? 普通、子どもが見るのってテレビ欄だけだよね。
三船 テレビ欄はあんまり見ないのですが、夕刊に載ってる海外ニュースのおもしろい記事が好きです。世界一巨大なアイスクリームとか。
西原 あるある! 海外こぼれ話系ね。陰惨な記事とかも読むの?
三船 読むのは読むんですが、あまり…。
西原 新聞に書いていることを疑わない?
三船 う〜ん、疑わないですね。ウソを書いているとは思わないけど、スポーツ新聞には、おおげさな表現もあるのかな、とちょっと思います (笑い)。


あさのあつこ先生×三船くん

受賞作の選評に意義アリ!?

三船 今日会ったら伝えたいことあったのですが……あさの先生が選評で、「計算している雰囲気を感じた」(※1)と書いてらしたのですが…。
あさの ああ、はい、はい。書きました。『ヘチマ』は、筋運びとかあまりにも上手だったから。のめり込んでカッカしながら書いていると、ああいうふうに冷静には書けないものなのでね。
三船 自分ではそんなに計算してないつもりですが…ただ、計算したところはあって、それはハヤの秘密を明かすタイミングです。というのも第一回の受賞作の選評の中に、「謎は謎のまま、それを軸足として」(※2)というのがあったので、それを参考にしました。
あさの そうだったの。最後までちゃんと破綻せず書けるというのは、三船くんがどこか冷静で物語と距離をおいているのかなと思ったからなんですね。もちろんそれは悪い意味じゃない。その距離の取り方は本当に見事でした。ただそこを一歩間違えると、計算高い作品になる可能性もある、ということを言いたかったの。でも三船くんは、「上手に書こう」とかは考えてはいないんだ?
三船 そういうふうには考えてないです。
あさの さっきも話してたけど、書きたい人物がどんどん頭の中に出てくるんですね。
三船 はい。
西原 その書きたい人たち、キャラクターはおのおの、みんな空気読んでる? それとも空気読まないキャラもいる? たくさん人が出てくるシーンとかで。
三船 それはいないと思います。
西原 実際、三船くんはみんなと話す時は遠慮する方?
三船 自分ではわかりません。
西原 みんなは三船くんの話を聞いてくれる?
三船 はい。
あさの じゃ、学校はおもしろいんだ。学校好き?
三船 はい、好きです。
西原 ええっ!! 学校が好き!? 世の中にこんな子がいるんだ!
あさの いるのよ、そういう子はちゃんといるの(笑い)。学校ではどんなことして遊んでいるの?
三船 読書や書くことが好きな友達がいるので、休み時間に集まって、本を回し読みしたりしています。
西原 友達とケンカしたりする? トラブルになったらどう立ち回ってるの?
三船 ケンカはしないですし、そもそもトラブルにならないようにしています。
西原 はぁ〜。それはそれは…(笑い)。

(※1)『12歳の文学 第二集』収録の「選評」で『ヘチマ〜』について、あさの先生が「計算している雰囲気を少しですが感じてしまいました」と評しました。
(※2)『12歳の文学 第一集』収録の「選評」で『夕日の丘に』について、あさの先生が「中盤までの謎を謎として追っかけていくおもしろさ、そこに軸足を置いて最後までいってほしかったです」と評した。


西原理恵子先生×三船くん

三船くんから先生方へ突撃質問!

三船 小説を書き始める時、どこから書き始めるのですか? 僕は書きたいシーンから書いて、そこに物語をもっていくやり方なのですが。
あさの 小説はどんな書き方でもいいと思う。例えばストーリーはまだなくても、あるシーンが浮かんできたら、それを書いておく。あとでつなげていくやり方とかね。私は最初のシーンと最後のシーンが浮かんだら、あとはよくわからなくても書き出しちゃう。いろいろな書き方があるけど、思いついたらそれを文章化しておくことは大事だと思います。
三船 自分の作品が映画化されるのはどんな気持ちですか?
西原 さ、どうですか? あさの先生は『バッテリー』に出たんですよ。
樋口 自分も出てるよね〜?
西原 全部出てます(笑い)。三回ともセリフかんだ。短いセリフなのに。
あさの 私はすっごく頑張って一発OKでしたよ(笑い)。で、どうなの? 映画化について。
西原 自作の映画化は、ただただうれしい。違うものになってもいいの。映画は監督の作品だから。とにかくうれしいよね、自分が考えたキャラクターが動くのは。漫画家冥利に尽きるというか、頑張ったご褒美だと思ってます。
あさの 私は文章だけだから、映像がどんなふうになるのか興味がある。
西原 自分に対するうわさ話を聞きたい! って感じ。
あさの そうそう!! できればよく言ってほしい、みたいなね(笑い)。
三船 僕は4月から中学生になるのですが、中学生になった時はどんな気持ちでしたか? あと、どんなことをしておけばいいですか?
樋口 かなり昔のことだからね〜(笑い)。どうだったっけかな? 僕も三船くんと同じで大学の付属中学に進んだんだけど、音楽少年だったからまったく違うタイプの中学生だったかもね。
西原 中学、高校はアルバイト禁止なのかな。おばちゃんが唯一すすめることは、できるだけバイトをしなさいってことかな。世の中、想像もしないようなイヤなヤツやコワイヤツがいるから。学校では会えない人たちに会えるよ。
あさの そうね。いろんな人に会うのはおもしろいよね。
西原 大学生になるまで、とにかくいろんなバイトをするのがいいと思います。
小説を書く上で、キャラ作りとか非常に役に立つよ〜。
樋口 本だけで知るのではなく、実体験はやはり大切なんだよなぁ。
西原 小説を読む人には、まったくの想像で書いたことはすぐバレちゃうから。本を読むのは大事だけど、人の書いたものを参考にするより、自分で体験する方が早いじゃん。カツアゲされたら一作書けるし(笑い)。
樋口 ひどい目にあったら、“これ書いてやろう”と思ったらいいよ。


先生から三船くんへ激辛!?ひと言

樋口 うますぎる。もうちょっとヘタになってもいいな。でも、まあこういう時期は必要なんだと思う。三島由紀夫だってうまい時期があって、ヘタな時期もあったから。厳しいこといえば、次はもっとスゴイものを書いてくれ、もっと驚かしてくれ、という期待がある。
あさの これからもしかしたら書きたくない時期や書けない時期が来るかもしれない。その時に三船くんがどうするか、どう乗り越えるのか。そこを越えた時、今までとは違ったものが書けると思います。中学生になって、書くことよりもっと楽しいこと、やりたいことが出てきてもいいと思う。女の子のこととかね。ステキな中学生になってほしいですね。
西原 小説には恋愛要素は不可欠なので、これから好きな女の子ができたら、どんどん告っちゃって、ふられてください(笑い)。
あさの その方がおもしろいものが書けるよ(笑い)。
三船 は、はい!

先生×三船くん

【座談会ウォッチ!】

緊張でガチガチの三船くんが席に着くなり、先生方が新作のこと、学 校のことを次々に質問し始め、 
座談会がスタート! 
あれれ、質問をた くさん用意してきた三船くんが逆に質問攻めに!?  
と思っていた ら、答えているうちに少しずつ表情に余裕が……。
聞きたかったことをちゃんと聞くこともできて、 座談会は終始笑いに つつまれていました。
最初の質問攻めは先生方の“緊張をほぐす作 戦”だったのでしょうか?
創作に関して、ちょっぴりきびしい(?)アドバイスもありました が、きっとそれは先生方の期待のあらわれ!
三船くん、それらの言葉 をかみしめるように聞いていました。
今後、いろんな人に出会って、(ふられて!?)それが三船くん の創作活動にどんなふうに影響するのでしょうか。
とっても楽しみです!