Chapter 1
子どもの「安全」「防犯」犯罪は今どうなってるの?

被害に遭う子どもは減っている。でも…

実はいま、子どもが被害に遭う件数は昔と比べ、減っています。少子化、防犯意識の高まり、地域パトロール隊などボランティア団体が増えてきていることも減少の理由でしょう。また、全国の各警察署は「声がけ事案」などをHPで発表し、不審者情報を公開しています。たとえば警視庁(東京)の場合、「メールけいしちょう」に登録すれば「犯罪発生情報」「検挙情報」「防犯情報」「各種お知らせ」をメールで受け取ることが可能です。

■少年の犯罪被害の推移(上半期)
少年の犯罪被害の推移(上半期)

平成22年上半期の認知件数は11万5278件(前年同期比9.3%減)。包括罪種別では、凶悪犯被害は511件(同6.6%減)、粗暴犯被害は6195件(同2.5%減)、窃盗犯被害は9万9905件(同9.6%減)と減少。

■少年の刑法犯被害の罪種別構成比(平成22年上半期)
少年の犯罪被害の推移(上半期)

※「少年非行等の概要」より
警察庁生活安全局少年課(平成22年上半期)
http://www.npa.go.jp/safetylife/syonen/syounennhikoutounogaiyou220805.pdf

■防犯ボランティア団体等の推移
防犯ボランティア団体等の推移

※警察庁資料より(平成22年3月発表)
http://www.npa.go.jp/safetylife/seianki55/news/doc/21boranntelia_tyousa.pdf

【解説】
明治大学 山本先生

犯罪被害自体は減少し、防犯ボランティア団体の数は増えています(平成22年時点で、4万2762団体、構成員262万9278人)。それなのに、不安ばかりが募るのは、なぜなのでしょう?

安全とは客観的に判断されるものですが、安心は主観的な判断に大きく依存してきます。関係者間の信頼感と深くかかわっているということです。体感として、治安が悪化していると感じるということは、地域における人間関係や信頼関係が弱くなっていることの表れだともいえるかもしれません。安心するためには、身近なところからの情報を得ることです。

犯罪が起きやすい場所、交通安全の不安が高い場所という負の要素の洗い出しだけでなく、子どもたちには楽しい場所、自慢できるところも話してもらいましょう。すると、子どもたちが「楽しい」と思っている場所と、大人が「気をつけてほしい」と思っている場所が重なっていることもあるものです。子どもは、好奇心がつよく、探検もしたいもの。

子どもが被害にあうのは、ほとんどが「窃盗」。見通しがよい場所でも、夜間人目がなくなれば、そこは絶対安全とはいえません。人目につかないところで犯罪が起きているのです。