Chapter 6
ちょっとした「身近な危険」 子どもにどう言い聞かせる?

日常の生活の中にも多くの危険がひそんでいるものです。

そんな「身近な危険」への対処方法をふだんから親子で練習しておきましょう。

【登下校中の身近な危険】

身近な危険例【1】知らない人に道を聞かれた
Q.
学校からの帰り道、困っている顔で立っている人がいました。
「おじさん、道に迷っちゃったんだ。教えてくれるかな?」と言われましたが、どうしますか?
A.
「わからないので、大人のひとに聞いてください」と言って、すぐにその場を立ち去ります。

最近、増えているのが、不審者による「声かけ事案」。「遊ぼうよ」「お菓子あげるよ」などと言って近づいてくる不審者には、決してついていかないという意識が子どもたちにも徹底されてきています。

しかし、なかには「道に迷って困った人」を装って近づいてくる不審者も。そんなときは、「ほんとうに困っている人は、大人に聞くはずだからね」と言い、上記のように決して答えず、すぐにその場を立ち去るように教えましょう。

また、「知らない人に電話番号や住所を聞かれても、絶対に言わない」「知らない人に、なるべく近寄らない」ことも約束しましょう。

身近な危険例【2】知ってる人に、クルマで送ると言われた
Q.
知っているおじさんに、「お母さんが事故で入院したよ。クルマで送ってあげよう」と言われました。どうしますか?
A.
「おうちに帰って、確認します」と言って、決してクルマには乗りません。

知人による犯罪で、子どもが事件に巻き込まれることも少なくありません。「お母さんに頼まれた」「おばあちゃんが事故にあって」などと言ってクルマに乗せ、連れ去るケースも。このようなときは、いくら心配でも、家に帰って確かめることを教えておきましょう。「本当にお母さんが入院したとしても、家の人以外が迎えにいくことはないからね」と伝えておきましょう。

万一、無理矢理クルマに乗せられそうになったら、防犯ブザーを鳴らすか、大声を出して助けを求めるように言いましょう。また、ふだんから「クルマのすぐそばを歩かない」ことを約束しておきましょう。

身近な危険例【3】下校途中、すれ違いざまに変質者が
Q.
下校途中、すれ違いざまにおじさんが、いきなりコートを開いてきた。コートの下は無着衣。どうしますか?
A.
なるべく大きな声を出して逃げ、すぐに大人に伝えます。

下校途中に露出魔に会ったり、自転車のおじさんに頭をはたかれたり、という事件も頻出しています。「道に立っているおじさんがいたら、なるべく近寄らないようにしようね」と言い、登下校は、なるべく友達と2人以上ですること。どうしても1人になるときは、寄り道せずにさっさと家に帰ることを、繰り返し教えましょう。

もし変な人に会ってしまったら、交番やこども110番の家をたずねて大人に話すか、家にもどってすぐに親にいうことも教えましょう。「お友達がまた嫌な思いをしないように、そういうことがあったらすぐに教えてね」と普段から約束しておきましょう。子どもが動揺しているときは、まずは抱きしめて安心させてあげることも大切です。

身近な危険例【4】バスで乗り過ごして、知らない街に
Q.
バスの中で寝てしまい、いつも降りる停留所を乗り過ごして、全然知らない街に着いてしまいました。どうしますか?
A.
バスの運転手さんや交番、こども110番の家に相談します。

小学校や習い事からの帰り道。道順を守り、寄り道せずに帰ってくることが一番ですが、あまりきつく規制するのも逆効果かもしれません。

そんなときのために、普段から一緒に道を歩き、こども110番のステッカーや、交番など、信頼できる場所の目印を教えておくことが大切。乗り過ごしてしまったり、道に迷ってしまった場合は、そういう家やコンビニ、交番の人に助けてもらうように教えましょう。

また、そんなとき防犯専用端末があれば安心。普段から、緊急時の連絡の仕方を、一緒に練習しておきましょう。

【自宅での身近な危険】

身近な危険例【5】知らない人から、電話がかかってきた
Q.
留守番中に電話があり、知らない人に「おうちの人は?」と言われました。どうしますか?
A.
「お母さんは手がはなせません」といい、決して留守だとは言いません。

「留守だってわかったら、泥棒に入られるかもしれないからね」と言い、留守番中に電話がかかってきたら、なるべく親が家にいるフリをするように教えましょう。

また、「お友達の電話番号教えて」などと言ってくるケースもあるので、「住所や電話番号は、自分のものも友達のものも、決して教えちゃダメだよ」ということも合わせて覚えさせましょう。

できれば留守番中はなるべく電話を取らないで、留守番電話に吹き込む声を聞いて、親だとわかった場合だけ受話器を取るようにしたほうが安全です。

身近な危険例【6】心当たりのないメールがきた
Q.
知らない人からメールがきて、外で会おうよと言われました。どうしますか?
A.
決して返信はせず、親や先生に伝えます。

出会い系サイトや、「モデル募集」などの誘い文句につられたなど、インターネットによる犯罪の被害が、小学生まで及ぶことも。最近では、ゲームのアイテムのやりとりなどで、小学生が加害者となった詐欺事件なども起こっています。

「インターネットにもいい人とわるい人がいるから、大人になるまでは気をつけてつかおうね」と教えましょう。また、なるべくパソコンやゲームなどの通信機器は、リビングなど、親の目の届くところに置くこと。子ども用のアカウントは、勝手にアプリなどがインストールできないような制限のあるものにするなどしておく。ブラウザの履歴で、どんなサイトを見ているかをチェックする。パソコンを使う時間を決める。などの配慮をしておきましょう。

決してきつく禁止するのではなく、普段からどんなゲームやサイトを見て楽しんだのかを聞くなど、親子の対話のなかで危機管理意識を高めておくことが大切です。

【遊び場や勉強場での身近な危険】

身近な危険の例【7】公園で知らないおじさんがこっちを見ている
Q.
公園で遊んでいたら、知らないおじさんがじっと見ている。どうしますか?
A.
学校・交番・近くのコンビニなど近くの大人に伝えます。

身近な公園にも、さまざまな危険がひそんでいます。公園で知らないおじさんに見られて、帰宅するときについてこられた。公園の大きな遊具で遊んでいるときに、その死角に連れ込まれた、などの事例も寄せられています。

「公園には、悪い人が隠れていることもあるから、見えるところで遊ぼうね」と教えておき、変なおじさんがいるとおもったら、学校か交番に行くことを約束しましょう。こども110番の家やコンビニ、近くのお店でもいいので、普段から逃げ込める場所を、親と一緒に確認しましょう。

また、駐車場などで事故が起こるケースもあるので、駐車場では遊ばないように教えておきましょう。

身近な危険例【8】「写真を撮ってあげるよ」と言われた
Q.
「おじさん、カメラマンなんだ。写真を撮ってあげる」と言われました。どうしますか?
A.
「いやです」と言って、顔を見せずにすぐ逃げます。

カメラマンを装い、写真を撮ってあげると言ってくる不審者も多く、最近では、カメラ付き携帯電話を向けられるケースも増えています。

「かわいいね」「モデルになれるよ」などと近づいてこられても、「写真を撮られると、知らないところで使われて、嫌な思いをするよ」と教え、決して顔を見せず、すぐに逃げるように言いましょう。

また、「お菓子をあげる」などと言われても、決してもらわないことも約束しておきましょう。

身近な危険例【9】図書館内の死角で1人になった
Q.
図書館で本を探していたら、そっとついてくるおじさんがいました。どうしますか?
A.
すぐにその場を離れ、図書館の人に、一緒に本を探してもらうようお願いします。

図書館などの公共施設内にも意外に死角が多いもの。子どもが誰もいない本棚の間にいるときに、不審な大人がつけてきた、などの事例が上がっています。なるべくまわりを見渡しながら行動する、図書館の人と一緒に本を探してもらうなど、注意をするように教え、実際に怖い目に遭ってしまった場合には、「走って逃げる」「防犯ブザーをならす」などの対処法を教えておくのも大切。防犯ブザーを持っていても、いざというときにうまく使えない子どもが多いというデータもあり、あらかじめ使い方を練習しておくことも大切です。

身近な危険例【10】上級生にいじめられたり「殺す」と言われた
Q.
上級生にサッカーボールを奪われ、「大人に言ったら殺す」と脅されました。どうしますか?
A.
すぐに親か先生に相談します。

上級生や、中高校生などにいじめられ、言えずにいる子どもの例も多いようです。そんな場合は、すぐに学校に言いにくるか、親に話をして、たとえ脅されても決して子どもたちだけで解決しようとしないことを約束しましょう。「黙っていると、また他の子が被害に合うかもしれないし、その子のためにもならないんだよ」と教えておきましょう。