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2017年告示 新指針・要領からのメッセージ

さあ、子どもたちの「未来」を話しませんか

2017年告示 新指針・要領からのメッセージ さあ、子どもたちの「未来」を話しませんか

  • 定価: 1,200円+税
  • 発売日: 2017年9月20日
  • 著/汐見稔幸
  • イラスト/おおえだけいこ

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子どもたちが成長し、この国を担うころ、世界はどうなっているのでしょう。科学がさらに発展し、バラ色の未来を描く大人は少ないのではないかと思います。

地球は温暖化し、水温が上昇して一部の陸地が水没したり、内陸部ではますます砂漠化が進行したりします。また先進国と発展途上国の生活水準の格差はますます広がり、移民問題で頭を悩ませる国があるかと思えば、不満を抱く人々がテロに走り、もはや安全な場所は地球上どこを探してもない、という事態もSF的ではなくなりました。私たちはこうした未来に子どもたちを送らねばなりません。


本書は幼稚園や保育園などの先生向けに書かれた専門書です。

今年、10年ぶりにそれぞれの施設の基本原則を定めた国のおおやけの文書が改定されました。それは「幼稚園教育要領」や「保育所保育指針」などと呼ばれています。

10年ぶりの改定ですので、何がどういうふうに変わったのか、先生たちには気になるところです。そこでその改定にたずさわった白梅学園大学学長である汐見稔幸先生が、改定の背景と、これから子どもと接するときにどこに意識したらいいのかを解説したのが、この本です。


未来は混沌として、いまの大人たちには解決できないかもしれません。そんな世界を子どもたちにどうやって生き抜いてもらいたいのか、どういう能力を身につけてもらいたいのか、それを記したのが「幼稚園教育要領」や「保育所保育指針」などです。

そこには従来の知識や思考力といった能力ももちろんですが、もっと忍耐力や社会性、自信をもつことなどといった「見えない能力」を育てる必要があるのではないかと、国は考え始めました。主体的に自分で考えると同時に周囲と意見を交換しあって、すぐにあきらめずこつこつと問題を解決していく能力です。

幼児にその能力が備わるようにすることこそが、21世紀を生き延びる手段であり、ひいては国が栄える唯一の方法です。これは日本だけではなく、先進国はそのように考え、国の方針として大きく舵を切りました。


そう考えると、「要領」や「指針」は、未来を生きる子どもたちへのメッセージであると考えることができます。保育に携わらない人が読むと、無味乾燥している文書に思えるかもしれませんが、そこには子どもたちがこうなってほしいと切実に願う大人たちのメッセージが込められているのです。

また逆から見ると、それらは声なき子どもたちが「未来を生き抜く力を持てるようにしっかり支えてよ!」という、われわれ大人への宿題かもしれません。


新しい要領・指針をイラストマンガで解説したので、大変読みやすい本になりました。保育者のみならず、子どもにかかわるすべての大人はぜひ手にとって、大きな視点から目の前の子どもとの接し方を考えていただければと思います。(担当・宮川)

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