今月の新刊ココ読んで!

「人生のおさらい」

自分の番を生きるということ

児童精神科医のパイオニア・佐々木正美さんが、
相田みつをの16編の書をテーマに語る、幸せになるための「生き方指南」

人生のおさらい 自分の番を生きるということ
  • 定価: 1,600円(+税)
  • 発売日:2016年9月30日
  • 佐々木正美・著
  • 相田みつを・書

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ためし読み

出会いに紡がれた豊かな人生

不治の病をかかえながら81歳を迎えた佐々木正美さんが、相田みつをさんの言葉をテーマに、家族、教師、仕事仲間そして患者…さまざまな人たちとの出会いで紡がれた自身の人生をふりかえります。たどり着いた境地は、「人生に感謝ができる自分」でした。

その出会いのひとつに、佐々木さんにとって忘れられない小学校の先生がいます。 小学校でも軍事訓練が行われていた戦時下、級長だった佐々木さんは、号令をかけることがうまくできず、軍人にひどく叱責され、胸ぐらをつかまれて揺さぶられた挙句につきとばされました。恐怖におののき血の気を失って呆然とする佐々木少年に声をかけたのは、担任の入谷先生でした。「佐々木君、兵隊さんの真似なんか上手にできなくてもいいよ」。教師として兵隊に逆らうことは許されません。気づかれぬようそっとつぶやかれたのでしょう。

「その一言で私がどんなに救われたか。自分自身を、自分の存在を認めることができたか」 その後、その時の先生の言葉は声色と共に今も鮮やかに脳裏に残っているそうです。入谷先生は、その時わずか19歳だったそうです。縁あって二人は55年後に再会を果たされることになるのですが、そのいきさつは本書をお読みください。 そしてこのエピソードに、佐々木先生が選ばれた言葉です。

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次世代への架け橋になる生き方を

自分が受けてきた数々の出会いの恩恵を振り返り、「人生に感謝ができる」自分に気がついたら、今度は、自分が次世代に何を残していくかを考えたい、と佐々木先生は言います。 それが「自分の番を生きる」ことなのです。

誰もが自由に生きる時代です。核家族が一般化し世代間のつながりがだんだんと弱くなってきた今こそ、豊かな人間関係が求められています。人はひとりでは幸せになれません。「自分の番が来た」ことを自覚して世代をつなぐ架け橋となることができれば、それは、素晴らしい人生の後半の生き方になるでしょう。

佐々木先生は、相田みつをさんの「いのちのバトンを受けつぐ」という詩に、この思いを託しています。

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親として、教師として、そして、ひとりの人間として、人生を豊かに過ごすためのエッセンスがつまった1冊です。


佐々木正美
児童精神科医。1935年、群馬県前橋市生まれ。長らく子どもたちの精神医療に従事。自閉症療育の第一人者。子どもの臨床現場にかかわった経験から表した数々の育児書は、多くの親たちの信頼と支持を得ている。相田みつをとの共著に『育てたように子は育つ』(小学館)がある。

相田みつを
書家・詩人。1924年、栃木県足利市生まれ。短歌と禅に出会い、独特の世界観を書として表現する。1984年、『にんげんだもの』の出版を機に多くの日本人の心を捉え、幅広い層から支持を得ている。1991年逝去。享年67歳。東京国際フォーラムにある「相田みつを美術館」は、今年開館20周年を迎えた。


© 佐々木正美・相田みつを 2016

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