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小学館版 学習まんが人物館

知里幸恵とアイヌ

「違い」を認め合う豊かな共生社会へ

小学館版 学習まんが人物館 知里幸恵とアイヌ

  • 定価: 1,026円(税込)
  • 発売日: 2017年11月1日
  • まんが/ひきの真二
  • シナリオ/三条和都
  • 原案協力/劇団ムカシ玩具舞香

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「学習まんが人物館」シリーズの新刊(第52巻)として、知里幸恵(1903-1922)を取り上げました。アイヌとして生まれた知里幸恵は、言語学者・金田一京助博士の助力の元、初めてアイヌ語の口承文芸を活字化して世に送り出しました。「銀のしずくふるふるまわりに、金のしずくふるふるまわりに」で始まる『アイヌ神謡集』です。彼女は、弱冠19歳で夭折したアイヌの天才少女と呼ばれています。


アイヌ民族は北海道や南樺太、千島列島、北東北などに暮らしていた先住民族です。文字は持たないけれど、固有の言葉や文化を持ち、豊かな自然に感謝して生活していました。ところが明治期に入って日本政府が北海道を開拓し始めると、住んでいた土地を追い払われ、国の「同化政策」によって日本人化させられたのです。


本書は学習まんが形式で知里幸恵の生涯を紹介します。巻頭にはカラー写真満載の記事、巻末には小説家で詩人の池澤夏樹氏による解説や、関連人物紹介の記事が掲載され、知里幸恵の人物像を分かりやすく立体的に紹介します。また、知里幸恵だけでなく、アイヌの歴史や文化、生活などの具体的な情報もふんだんに盛り込んでいます


現在の世界は、「違いや」「差異」に起因する問題が山積しています。グローバルな視点からは、テロや紛争、ローカルな視点からはいじめやジェンダーの問題など、やむことがありません。またこの問題は、コミュニケーションの問題でありつつ、アイデンティティーの問題でもあります。知里幸恵はアイヌ人であり、日本人であり、そしてキリスト教信者でした。彼女は、この3つのアイデンティティーの中で葛藤しながら、自分の生きる道を見つけたのです。そして己の志 ー アイヌ文化を後世に遺すこと ー を果たしました。


加速するグローバリズムとITの進化によって、世の中はこれからますます複雑化していきます。読者の子どもたちには、そんな現代社会を、他者との「違い」を認めながら、自分のアイデンティティーを確立して、力強く生き抜いてもらいたいと思います。そのヒントが本書には盛り込まれております。先生方も是非お手に取ってご覧ください。
(「学習まんが」編集部 武藤心平)

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